コツコツとした日々

2018年07月18日(水)能力開発 

日本のフランス料理研究家である辻静雄さんのことばから、コツコツとした日々、コツコツとした努力の大切さを見てみましょう。

 

コツコツとした日々|能力開発|ルシディチュード-灯台教養学部



辻静雄さんのことば

「私自身、『ラルース・ガストロノミック』(Larousse Gastronomique)という本を持たされた時に、辞書をひいたけれども全然わからなかった。

例えば、フヌイユ(fenouil)はういきょうと書いてあるけれど、ういきょうのにおいもしらないということは、わかったことにはならないでしょう。フランス語でキャロットと書いてある。これは人参のことで、皆、人参は当然知っているが、それは日本の人参を知っているだけですね。

キャロットというフランスの人参がどんなものか、ドゥミ・ロング・ナンテーズ(demi-longue nantaise)というものや、晩春の五月から六月に出てくる、ちょっと甘味のかかった短いのなど、何種類あって、どんな味がするのか、ということまで厳密にいうと必要なわけです。

ポロ葱というのは下が白くて、上が緑であるというだけではなく、切ったらどこからどんなにおいが出るか、液体の中へ入れたらどこから酸が出るのか、そういうことまで知らなくてはならないのです。

つまり、フランス料理を勉強するためには、いつも実物とぶつからなくてはならない。実物とその言葉とが、自分の頭の中で完全にぶつかるまで、わかったと言いきってはいけない、そういう細かい勉強の仕方が必要であるということは覚えておいて下さい。そしてそのことは、あなた方の職業意識にもかかわってくることなのです。」    

 

これはフランス料理に限らず、何かを習得する際には全般に当てはまることであると思います。

フランス語や日本語といった語学、革職人やパティスリーといった職人、起業や経営といったビジネス・・・それまでとは違う世界に踏み出せば、実物とその言葉との衝突を一つずつ経験し、自分のものにしていくこと、そうして経験が自分の実力になっていきます。

 

天職と巡り合うために

この世に生まれたからには、誰でも自分の使命を実現したい、天職に巡り合いたいという望みはあると思います。そのためには、どんなときでも自分で時間をかけて努力するしか仕方がありません。

現在は生産性・結果重視の社会ですが、本当はそのプロセス自体が非常に重要で、その時間が人生そのものです。

といっても、これだけ社会全体が生産性・結果重視だと、そう思えるまでには行動している人でも時間がかかるでしょうし、アクションなしで悩み続けているだけでは一生気づくこともないかもしれません。    

 

辻静雄さんは、新聞記者から転身して料理家になった方です。魚を一千匹おろしたころはじめて、包丁が独りでに滑り込んでいくような感覚がつかめるようになってきたといっています。  

 

数々の偉人たち、バッハやベートーヴェン、ゲーテ、リンカーン、ゴッホ、こうした人々も、彼らの直感だけではなく、血のにじむような普通の人以上のコツコツした努力をしています。 まあ、”血のにじむ”というと何かモラル臭が漂いますが、好きで仕方ない気持ちが行動にうつっていったという観点もかなりあるでしょう。

 

わたしたちがある人物を知る場合、マスメディアや本に出てくるその姿は、みな有名であり、権力やお金持ちであることがほとんどです。

しかし、彼らもまた、人知れずコツコツと努力をする時期が人生においてあったことを覚えておきたいものです。

 



読後チェック

①辻静雄さんの言葉を読んで、あなたは何を感じましたか?

②自分の使命を実現する、あるいは天職に巡り合うためには、何が必要ですか?



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