組織における恐怖・不安を克服するには?

2018年09月18日(火)能力開発 

職場や学校といった組織において、不安や恐怖を抱えたまま日々過ごしている方もいらっしゃると思います。

組織における恐怖・不安を克服するには?|能力開発|ルシディチュード-灯台教養学部

その中でも、実際的ないじめや村八分の被害にあっていないのに、他人の評価や視線がものすごく気になったり、傷つきやすかったり、もやもやした苦しさや漠然とした不安を抱いていませんか?また、そんな部下や仲間がいませんか?

癒しや気晴らしで対処療法も必要ですが、その不安や恐怖の根源を見つめる必要があります。以下では、よくある組織における3つのタイプの恐怖について解説します。

 

 

タイプ①“無視されること”への恐怖・不安を感じるタイプ

<このタイプによくある言動>

・いつも遅れていくことによって目立とうとする

・やたらとどこにでも出現し、目立とうとする

・やたらと大きな声でしゃべって目立とうとする

・やたらと消極的になり、引いてしまう

・ひきこもってしまう

 

<このタイプの職場や学校で多い不安や恐怖>

・自分が大事に考えているサークルから排除され、村八分にされているのではないか

・自分が大事だと思っているミーティングに呼ばれないのではないか

・組織の再構成の際、自分は置き去りにされてしまうのではないか

・自分の直属の上司がほかの同僚に仕事をまわしてしまうのではないか

・自分は重要視されていないのではないか

・自分は認められていないのではないか

・組織の中で居場所を失うのではないか

 

こうした言動をとりがちな人には、“無視されること”への恐怖・不安が見られます。

人間は本質的に社会的動物であるため、“無視されること”への恐怖・不安を抱くのは、当然ともいえます。 こうした恐怖・不安を克服するためには、自分が思っている状況が、主観的な状況判断かどうかを一呼吸おいて考える癖をつけてみましょう。

わたしたちは、実際以上に、自分の見た目や態度を人が注目しているのではないかと思いがちです(スポットライト効果)。特に高校生ぐらいまでだと、自分や社会を相対化するということがまだ難しいため、自分を中心に世界を見がちになります。新入社員でもそうですが、職場が忙しくてぴりぴりしているだけなところ、そのサイクルを知らないため上司のいらいらを自分のせいかと思い込んで不安になることは多くあります。

「果たして今の周囲の態度、今起こっている状況は、それほど重要なことなのか?」と自問する一瞬の癖をもつことは、制限された認識を揺らがせることにつながります。

それから先は、何よりアクションの一歩を踏み出してみることです。 自分の不安を取り除くため、ミーティングや人と出会う場面を自分のなかでイメージトレーニングしてみたり、自分の長所をリストアップしてみると良いでしょう。また、何に対して自分は不安や恐怖を感じているのかを言語化し、日記に書いてみると良いでしょう。 ミーティングや会合があればまず参加してみましょう。自分の知っている人を見ることで、グループに溶け込みやすくなると思います。

 

タイプ②“侮辱される”ことへの恐怖・不安を感じるタイプ

<このタイプによくある言動>

・仕事内容、状況、相手、自分自身も含めて、コントロールできていないと気がすまない

・人に仕事をうまく任せることができない

 ・やたらと口出ししてしまう

・完璧主義である

・自分で気が済むまでできない場合は、まるっきり相手に仕事を任せてしまう

・偉そうな態度であると見なされがちである

 

<このタイプの職場や学校で多い不安や恐怖>

・自分はうまくやれないのではないか

・自分は間違え、失敗するのではないか

・自分は与えられたタスクに対してそれをやりこなすだけの能力がないのではないか

・失敗して格好悪いみじめな思いをするのではないか

 

こうした言動をとりがちな人には、“侮辱される”ことへの恐怖・不安が見られます。

偉そうに見られがちですが、自分に対して自分の内から沸く確固とした自己評価をもてず、他人の評価に基礎を置いている人に多いと考えられます。

恐怖や不安を感じたら、自分自身の本質について、自分自身に問うてみることが大切です。 一人ひとりわたしたちは価値があるのですから、自分の付加価値について考えて見ましょう。一日に何回も「自分は失敗する権利がある」といいきかせ、自分が成功したときのイメージを思い浮かべるのも良いと思います。 また、人びとは自分に何を期待しているのかを改めて問うてみましょう。 現実的な目標・目的というものをリストアップし、それを明確にしてみることも効果があると考えられます。何より、「おおげさに考えず、自分が周りのイメージをバランスよく見ること」を常に頭の片隅に入れておくことが大切です。

 

タイプ③“却下されること”への恐怖・不安を感じるタイプ

<このタイプによくある言動>

・主張しすぎる

・主張しなさすぎる

・距離をとりすぎて冷たく思われる

・会話や人間関係の中でやたらと距離をとるかと思ったら、急に熱烈になったりする

・自分のことをよくしゃべっている割には、相手の話を聞かない

 

<このタイプの職場や学校で多い不安や恐怖>

・人に裏切られるのではないか

・人に批判され、ジャッジされるのではないか

・自分の主張したことは、後々自分にとって不利になるのではないか

・自分は人に操作されているのではないか

・弱みを見せると不利になるのではないか

 

こうした言動を取りがちな人には、“却下されること”への恐怖・不安が見られます。 断られることが、自分の存在の本質や人格に関わると見なしているところくる恐怖です。

日本人がディスカッションができないこと、積極的にアプローチしないこと、意見を出さないことは、この恐怖や不安とかなり結びついていると考えられます。自分が出来ないゆえに、他人にやられることに対して怒りを感じる人も多いといえるでしょう。

 

 

不安や恐怖との向き合い方

上の3つのタイプにむしろ全く当てはまらない、という人の方が少ないでしょう。みないずれも組織の中で感じやすいものではあると思います。問題は、極端に不安や恐怖を抱き、過度なストレスとなっている場合です。

不安や悩みを抱えている状態では、自分の周囲から発生するシグナル(同僚からのことば、上司の目線、学友の態度)を、否定的なものとして解釈したり、自分の中に心理的な抑圧を生み出したり、自尊心を崩壊させてしまうことが多くあります。

いじめやパワハラなど、実際にネガティブなシグナルが周囲から発せられる状況が客観的・実際的におこった場合には、個人的に解決することは難しく、出来上がってしまったコンステレーションを変化させるためにも、場合によっては他者の介入が必要です。

しかし一方で、私たちは主観的に問題を創り上げ、それを現実にしてしまうことも多々あります。これは、“気の持ちよう”ということよりも、わたしたち人間なら誰しもがもつ世界の見方、認識の仕方が関係しています。

否定的な認識や解釈とそこから生まれる不安や恐怖は、外界の誤った認識へと導き、さらなる不安や恐怖を生み出し、世界の認識をネガティブなものにするという悪循環をつくりあげます。

そもそも恐怖や不安というものは、非理性的な部分に由来するため、知らず知らずに増幅するものでもあります。しかしながら、不安や恐怖自体は悪いものではありません。恐怖や不安はわたしたちの情動の一つの基本的なものであり、有益な役割があります。恐怖や不安は、あるコンテクストにおいて危険を感知してシグナルを出し、危険を回避するか危険に対抗する手段を生み出します。恐怖を感じることにより、大脳辺縁系が状況を解析し、危険に適合したリアクションを選択するようになっているのです。

こうした人間の生理的機能でもあるわけですから、恐怖や不安をなくそうと努力するのではなく、まずはそのエネルギーを表出させましょう。恐怖や不安というものをまず言語化してみましょう。具体的には、信頼できる人に話したり、日記に書く、といった作業です。

同時に、恐怖を生きるということを心に決めるのも大切なのです。恐怖や不安は、不幸ではありません。恐怖や不安を抱くことは、弱いことではありません。当たり前のことなのです。

ただ、集団の中にいても、いつも自分らしく、明るい気持ちで過ごしたい、とは思いますよね。

不安や恐怖を克服するには、自分自身が自分の感情・情動というものを認めることです。また、全ての人に気に入られる必要はない、と言い聞かせましょう。

偉大なゲーテでさえ、「おれがゲーテというだけで嫌いなやつがいるのだから、俺にどうしろというんだ」と言っているくらいですから、生きていく上で全ての人に好かれようとするのは困難であり、またそれに意味があるのか考えてみましょう。

「自分はだめな人間だ」という考えが浮かんだら、「そう、確かにそうかもしれない。でも、そんな気分は誰だってなることがある」と言い聞かせてみましょう。

他の人びとに自分の考えを言ってみたり、オープン・マインドで臨むこと、これはすぐにできなくても、頭の片隅に入れて日々過ごすことも大切だと思います。    

人の心理は複雑ですから、上記はかなり単純化した議論であるため、これだけで不安や恐怖を克服できるというノウハウではもちろんありません。しかし、自分の認識・言動を一瞬疑問視してみる、すぐにはできないことでも頭の片隅に入れながら日々を過ごす、ということは、状況が変わる一つのきっかけとなります。

自分らしく生きるため、自分の能力をいつどこでも望んだ時に最大限に発揮できるようになるためにも、不安や恐怖との向き合い方を考えてみてください。



読後チェック

①あなたはどの不安や恐怖を感じるタイプに最もあてはまりますか?

②不安や恐怖を感じた具体的な過去の体験を思い出しノートに書きだしてみましょう。

③次に同じケースが起った場合、今度はどう対処するか想定してノートに書いみましょう。



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