自分を生かす 人を生かす

2018年6月27日(水)能力開発 

自分らしく生きたい、という願望や希望は、誰もが胸の内に抱いています。一方で、家族や友人、所属する社会的集団に迷惑をかけないよう、ずれないよう、村八分にされないようにと気にしている人も多くいると思います。自分を生かし、人を生かして生きていくためには何が必要でしょうか?

 

自分を生かす 人を生かす|能力開発|ルシディチュード-灯台教養学部

 


自分を生かす 人を生かす

ユング心理学を日本に紹介した一人である河合隼雄先生は精神病の治療に時箱庭療法と言うものをやります。  

これはどういうものかと言いますと、木、家、船、橋、あるいは動物などのさまざまなミニチュアと砂を入れた箱を用意して、一時間くらい患者に自由に箱庭を作らせると言うものです。  

この時先生は何も治療らしいことはやらないのです。

 

普通だったら<あなたは考え方をこう変えたらよいですよ>などといったりするものですが、河合先生の場合は、患者が箱庭を作るのを黙ってみているだけなのです。

(こんな母親、上司、友人がいたら我々はきっと素晴らしく内に秘めた可能性を伸ばせるのかもしれませんね。)

 

それを一週間ほど続けます。

すると面白いことに、だんだんと箱庭のスタイルが変わってくるということです。  

患者の作った箱庭には、何が反映されているかと言うと、患者の無意識世界が現れているのです。

ですから、箱庭を見れば、その人の無意識の世界にどのようなものが渦巻いているか河合先生には分かるということです。

 

ところが、河合先生はそれでも一言も言いません。ただ、見ているだけです。   この<ただ見ているだけ>と言うのが実はポイントなのです。

 

黙ってみているだけなら、いなくてもいいじゃないかと思うかもしれませんが、ところが患者が一人で箱庭を作っていてもだめなのです。

患者と医者が一対一の関係の中で、患者が箱庭を作り、医者がそばで見ていることに意味があるのです。

(こんな素晴らしい人間関係に出会えたら!!!)  

 

私たちは、見える世界としての心の理性や感情ばかりに慣れすぎて、それだけが人間の心の機能だと思い込んでいることが多いようです。

見えない世界としての心の機能のほうが、もっともっと我々の存在において重要な役割を果たしているのです。  

 

宇宙の生命システムと言うのは、さまざまな部分の驚くべき巧妙なつながりによって協調的に生きています。

そのつながりの間に、物質、エネルギー、情報のバランスのよい出入りがあった時には、放っておいても宇宙の生命システムはその潜在的な生命力を発揮します。  

 

私たちの身体の各部分は、私たちを生かすように働いてくれているのです。それならば全体としての私たち人間は、身体の各部分を生かすような思いやりを持ちながら、もう一方では部分としての私たち個人も全体としての自然、社会、文化に役立つような行動をするのが自然の摂理に従った生き方と言えましょう。  

 

 <部分は全体のために生き、全体は部分のために生きる>と言う行動原理で生きてゆけば、私たちが意識できなくても、あらゆるレベルでシンクロニゼーションが起きて潜在力を引き出してくれるはずです。  

 

自己実現とは、自分自身の内にある種を育てて、自分らしい自分を作り上げてゆく過程です。宇宙の生命システムが<全体は部分のために、部分は全体のために>と言う基本原理に従っているのですから、<自分らしく生きること>と<人を生かす>事とは矛盾しないばかりか、人類が進歩し人類の文明が次第に宇宙の生命システムに近づくに従い<人を生かす>生き方が、<自分を生かす>ために不可欠になってくるようです。  

 

生きがいの内容や自己実現の内容は一人一人違いますし、また一人の人の人生においても時とともに変わります。従って、<人を生かす>と言うことは、それを常に感じ取るだけの<心の開放性>を持つことが必要です。  

一人一人が自分に運命付けられたそれぞれの場で、ほかの人に少しでも思いやりと喜びを与えられるような生き方をして行きたいものです。

 

 

読後チェック

①箱庭療法とはどんなものですか?

②<人を生かす>ためには何が必要ですか?



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