記憶力アップのコツ|能力開発|ルシディチュード―灯台教養学部“すべての人の灯台としての教養を”

記憶力アップのコツ

2017年11月15日(水)能力開発 

「記憶力が良い」「記憶力が悪い」という言い方は、よくしますね。 「記憶力が悪いから英単語が覚えられない」ということもよく聞きます。

 

さて、このように日常で使う「記憶力」という言葉ですが、では「記憶」とは一体どういったものなのでしょうか?

 

記憶力とはー7の不思議

記憶には、3つの段階があると言われています。

1.覚える段階 2.保持する段階 3.思い出す段階

 

特に、苦手な勉強というと、1の段階をとっても苦労しながら取り組み、2の段階で苦しみ不安を覚え、3の段階でテストで書こうとしたら、「あれ、頭にない・・・」という経験があると思います。

 

では、こうしてせっかく苦労して覚えたものを思い出せない、テストで書けないという子は、記憶力がないのでしょうか? 「記憶力が良い」という子は、「記憶力が悪い」という子よりも、特別な才能があったり、脳の構造が違かったり、覚えられる容量の大きさが大きいのでしょうか? そうではありません。 不思議とできあがってしまった記憶についてのわたしたちの思い込みは、科学的な実験によって「そうではない」と確かめられています。

 

記憶に関する最も有名な研究があります。 それは、アメリカのジョージ・ミラーという人が1965年に発表した『不思議な数7±2』という論文です。 彼は、実験を繰り返し、一つの結論に達しました。 それは、人間が一度に覚えられるのは、平均で7つ前後だということです。 その後も色々な研究によって確認され、現在のところ、一度に形成される人の記憶は平均が7つである、これが定説になっています。

 

しかし、わたしたちは7つ以上のことを覚えられますよね。 わたしが感動したのは、小学校5年生の子で、どちらかというと勉強が苦手だと自分でも思っていた子が、ポケモンの歌を披露してくれた時でした。一体いくつ名前が出てくるのだろう、と思うくらい。151のポケモン言えるかな、以外にポケモンの歌があるのも初めて知ったのですが、とんでもなく長い歌を歌い、ポケモンの名前を何百と言っていました。すごく感動し、今でもよく覚えています。 記憶力も頭も絶対にいい子だと思います。 この子だけではなく、こんな風に、わたしたちはいくつもの単語を覚えられることもありますね。 なぜでしょうか?

 

ミラーによると、その秘訣は「チャンク」にある、ということです。

 

チャンクとは何か?ー記憶力アップのコツ

「チャンク」とは、意味ある一まとまりの情報のことを言います。 7つ前後しかわたしたちは一度に覚えることができない、だけれども7つの中の一つひとつの中にいくつもの情報を盛り込み、つなぎあわせることで、記憶が一本のチェーンとなるのです。

 

意味ある一つのまとまりを「チャンク」といい、そうしたまとまりを作ることを「チャンキング」と言います。 例えば、中2で出てくる単語foreign(外国の)で、「チャンク」について考えてみましょう。

 

英語が苦手だという子が、このforeignのスペルを覚えるのに、fo/re/i/gn「フォ・レ・イ・ン」と言いながら書いているのを見たことがあります。 確かに、パソコンのキーボードもローマ字読みを変換しますから、最初にローマ字読みを覚えると、fo/re/i/gnは「フォ・レ・イ・ン」になるのかもしれません。 こうして英単語を覚えている人、いませんか? 実は、これはとても非効率的でもったいない覚え方なのです。 なぜなら、そう、fo/re/i/gnは「フォ・レ・イ・ン」では、もはやその子の頭の中でこの単語は一つの意味あるまとまり=「チャンク」になっていません。 わたしたちは誰もが7つ前後しか一度に覚えられないのに、すでにfo/re/i/gn「フォ・レ・イ・ン」と4つも使ってしまっているのです。 また、「フォ・レ・イ・ン」で覚えてしまっていたら、リスニングの時にはその努力が水の泡。「フォーリン」として聞こえてくる音を、foreignに置き換えられないからです。

 

英語が得意な人、生まれながらに英語を使う国にいる人にとって、foreignという単語は一つのまとまりになります。 そして、大抵はそれ以上に、foreign country(外国)、 foreign affaire(外交問題)、と、二つの単語が1つのチャンクになっていきますし、 I want to introduce Japanese culture to foreign people. (わたしは日本の文化を外国の人々に紹介したいです。) という文章全体を一つの「チャンク」にしていける人もいます。 この文章には、すでに9つの単語、2つの熟語が含まれるにも関わらず、それが1/7の記憶として形成されるのです。

つまり、記憶力アップのコツは、たくさんの情報でできるだけ長いチェーンをいかに作れるか、ということなのですね。 記憶力が良い、と言われる人は、このチェーン作りが得意な人、うまい人ということです。 逆に、記憶力が悪い、と言われる人は、このチェーン作りが下手なだけで、才能や能力の問題ではありません。

 

appleという単語ならば、ほとんどの人は意味を理解できるし、スペルも書けるし、紅いおいしそうなリンゴの絵を頭に思い浮かべると思います。 これは、appleという単語は日本語でも小さいうちから何度も聞くからです。アップルケーキ、などは日本語になっているようなものですし、有名なスティーブ・ジョブスが作ったApple社の製品、ロゴ、名前もよく耳にしますね。そうして何度も何度も聞き、見て、頭に刺激が行けば、無意識に覚えられます。 しかし、foreignという単語は、もしかしたら中2で初めて見るという子が多いのかもしれません。そうした場合、意識的に自分で 1.覚える段階 2.保持する段階 3.思い出す段階 に取り組んでいくわけですから、苦労しても当たり前です。 ここで、苦労する時に、「自分が記憶力が悪い」と思って放置するのと、「記憶力をあげるためにはチャンクを作ろう」と思って工夫するのとでは、確実に結果が違ってくると思います。

 

わたしがおすすめしたい英単語の「チャンクづくり」のコツは、その単語を使って自分で文章をつくってみることです。 foreign(外国の)という単語を使って、自分の気持ち、表現したいことをまず日本語で考えてみましょう。 「いつか外国に行ってみたい。」 「わたしには外交問題を理解することは難しい。」なんでもいいのです。

 とにかく、その英単語を使って、自分の気持ち、願い、といったものを作ってみましょう。 自分で作った日本語を今度は英訳します。 そうして作ってみて、自分で取り組み、わからなかったりできないことが出てきたら、先生や親にこう言いたいのだけどどうやって表現したらわからなかった、と聞いてみましょう。

 

記憶は感情や感動とも関係しています。 ポケモンの名前を何百も言えた子は、自分がポケモンが大好きで、楽しいから何度も聞き、見ていたのだと思います。そうして、その子はポケモンの名前を「チャンキング」できたから、何百のポケモンの名前を言えたのでしょう。 つまらない、苦手だと思ってやるのと、自分の気持ちをこめてやるのとでも、全く結果が違うと思いますよ。

 

そして、勉強の時はできればパソコンやスマホで打つよりも、手で書き、声に出し、脳のいろいろな部分が刺激される方法でやってみましょう。 このやり方は、歴史や理科でもきっと効果を発揮しますよ。

 

記憶力アップのコツは、「チャンク」を作る工夫をすること! そして、記憶力は工夫次第で誰もがアップできること! この長い文章の中でも、これだけは覚えていてくださいね! 読んでくれたみなさんの頭の中に、記憶力アップのコツの「チャンク」ができますように!



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