馬鹿のお話

2018年07月30日(日)一般教養 

侮辱や軽蔑のことば、時にそこまでの意味をもたずにからかい程度の気軽に使われる「バカ」という単語。バカとは、辞書を引くと下記の意味で使われています。

①知能が劣り愚かなこと。また、その人や、そのさま。人をののしっていうときにも用いる。あほう。

②社会的な常識にひどく欠けていること。また、その人。

③つまらないこと。無益なこと。また、そのさま。

④度が過ぎること。程度が並外れていること。また、そのさま。

⑤用をなさないこと。機能が失われていること。また、そのさま。

(大辞泉より)

 

しかし、この意味のバカをなぜ馬鹿と書くのだろう?と疑問に思ったことはありませんか?バカを馬鹿と記す理由、その一説をご紹介します。

 

馬鹿のお話|一般教養|ルシディチュード-灯台教養学部

 


バカはなぜ馬鹿と書く?

一説によると、「鹿を指して馬と為す」ということわざからきているということです。 このことわざは、「史記」秦始皇本紀にある、秦の趙高の故事に由来します。

 

八月己亥。趙高欲為亂。恐群臣不聽。乃先設驗。持鹿獻於二世曰。馬也。二世笑曰。丞相誤邪。謂鹿為馬。問左右。左右或默。或言馬。以阿順趙高。或言鹿者。高因陰中諸言鹿者以法。後群臣皆畏高。

(八月己亥きがいの日、趙高は悪化する形勢が皇帝に露見してしまうことを恐れ、謀反を起こそうと考えた。群臣が自分に従うか心配した趙高は、一計を案じ、鹿を引いて二世皇帝に献じて言った。馬です、と。皇帝は笑って言った。丞相は何を言っているのだ。鹿を指して馬と為している、と。そして左右に尋ねた。ある者は黙して答えず、ある者は同調して馬といい、趙高を恐れて曲従した。中には鹿と答えた者も居たが、趙高はこれを法に引っかけて罪に陥れた。これより後、群臣の誰もが趙高に恐怖した。)

【司馬遷著、塚本哲三編『史記』第1巻 pp,146-147,297より】

 

この皇帝が鹿と馬でごまかされた、ということから「馬鹿(ばろく)」という単語ができ、「愚か」を意味するようになったといわれています。

また、ここから転じて、「鹿を指して馬と為す」ということわざもあり、「人を威圧して、まちがいを押し通すことのたとえ。また、人をだましておとしいれることのたとえ。」を意味します。

 

しかし、この物語を読むと、騙されることが馬鹿なのか、盲従することが馬鹿なのか、正直にいって殺されてしまうことが馬鹿なのか、あるいは己の短い栄華のために間違いを押し通すことが馬鹿なのか、いろいろな読み方ができますね。



読後チェック

①バカを馬鹿と書く一説は何ですか?

②司馬遷の物語に登場する人物のうち、あなた自身はどの立場の人が馬鹿であると感じますか?



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