囚人のジレンマ

2018年06月09日(土)一般教養 

コミュニケーションやパートナーシップを考えるときに出てくる問題に「囚人のジレンマ」というものがあります。

囚人のジレンマ|ルシディチュード-灯台教養学部

 

ルシディチュード―灯台教養学部囚人のジレンマとは?

「囚人のジレンマ」とは、大まかに言うと次のようになります。  

何かの重大事件で二人組の犯人が捕まってしまいました。それぞれ別室で取り調べを受けています。この時、Aは迷います。

「自白すれば、かなり長い刑期が待っていそうだ。なんとかごまかしてシラを切り通すことはできないだろうか。しかし自分が犯行を否認している間にBが自白し、自分も共犯であると言ったら自分に対す検事の心証が悪くなる。それよりは先に自白して、反省の念を示し情状酌量される道を模索したほうが良いのではないか。しかし向こうも頑張っているのに自分が罪を認めてしまうと、もしかしたら証拠不十分で釈放される道を自らつぶしてしまうかも知れない」

こんな精神状態の中、二人はそれぞれ司法取引を持ち掛けられます。

二人とも自白しなければ証拠不十分で減刑し二人とも懲役2年、片方が自白して片方が自白しなければ、自白した方は協力したということでう釈放、しなかった方は懲役10年、両方とも自白すれば求刑通り二人とも5年にする、というのです。

当然Bの方も同じように悩み、この精神的圧迫から結局両者とも崩れていき、結局二人とも自白に至ってしまうことになります。

 

このように自分と相手の行動の組合せで良いことと悪いことが極端に転換するケースが「囚人のジレンマ」を引き起こすといってもよいでしょう。

 

上記の場合では  

・Aが頑張って自白せず、Bも頑張って自白しなければ、証拠不十分で二人とも減刑で2年  

・Aが頑張って自白せずいるのに、Bが自白すると、Aは懲役10年でBは釈放  

・Aが挫折して自白し、Bが頑張っていたら、Aは釈放でBは懲役10年

・AもBも自白したら二人とも懲役5年

といったものです。

 

少し書き直すと

・自分が自白せず頑張り続けた場合    

相手も頑張ってくれたら二人にとってまあまあよいが、    

相手が挫折すると、とても悪い立場に立つ。  

・自分が挫折した場合    

相手が頑張っていたら自分はいいが、    

相手が挫折していたら、二人ともまあまあ悪い立場に立つ。

 

つまり 100点か0点になる道を選ぶべきか、70点か30点になる道を選ぶべきか、相手の行動によって自分の行動の意味が逆転してしまうのが決断を下すときに苦しいジレンマが生じるのです。  

 

こういった状況は実人生でよくあることですが、この状況から抜け出す、あるいはこの状況の中でどうやって決断を下すかということが問題です。  

 

 心理学者のフロムがこんなことを言っています。  

To have faith requires courage, the ability to take a risk, the readiness even to accept pain and disappointment. Whoever insists on safety and security as primary conditions of life cannot have faith; whoever shuts himself off in a system of defence, where distance and possession are his means of security, makes himself a prisoner. To be loved, and to love, need courage, the courage to judge certain values as of ultimate concern -- and to take the jump and stake everything on these values.  

(信念を持つということは、勇気、リスクをとる能力、そして苦痛や失望さえも受け入れる準備が求められる。人生の第一条件として安全と安定を主張する人はいかなる人でも信念をもつことはできない。隔たりと所有がセキュリティーの手段である防御システムに自身を閉じ込める人は誰でも、自分自身を囚人にしているのだ。愛され、そして愛することには勇気がいる。その勇気とは、ある価値を究極の関心をもって判断することだ。そして、勇気とは障害物を乗り越えることであり、それらの価値に対してすべてを賭けることである。)    

 

我々は人生を生きていくうえで、時として先が全然見えないときに決断を下して進むことを余儀なくされるときがあります。そうした状況で決断を理性的に下す為に必要なすべての情報を我々が得ることはないのです。  

「吉と出るか、凶と出るか?」と自問しながらさいころを振らざるを得ないことが往々にしてあります。そんな時、あなたの心のそこにある信念が, 決断の基準が何かということが、あなたの人生の生き様を決めることになるでしょう。

 



読後チェック

①囚人のジレンマを簡単に説明してください。

②フロムの信念についての考えを述べてください。

③人生の生き様を決めるものは何だとあなたは思いますか?



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