円周率の計算

レベル:大学入試

皆さんお元気ですか?虫の声がよく聞こえるようになってきましたね。風邪をひかないように気をつけて頑張ってくださいね。

今日は少し頭の体操的な問題をやってみましょう。でも、東大の2003年の入試に出ているんですねえ。ギリシア時代のアルキメデスが考えている問題ですね。

 

東京大学入試問題
  問題

円周率が3.05よりも大きいことを証明せよ。


 

【解説】

円周率は、3.14159・・・だから、3.05よりも大きいのは明らかとしてしまっては、解答とは言えませんね。

でも問題も少し不親切ですね。こういう問題を出すのならば、円周率とは次のように定義するという断り書きくらい書いてもよさそうな気がしますね。

さて、皆さん円周率とはなんだかわかっていますか?

この問題を出した先生は、きっとアルキメデスが考えたように、円の(アルキメデスの場合は放物線だったようですが。)面積をn角形で中側と外側から近似して、

S(n) ≦ π ≦ T(n)

ここで、S(n)は円に内接するn角形の面積で、T(n)は円に外接するn角形の面積です。

あるいは円周をこれらの内接あるいは外接するn角形の周で近似してもよいですね。

まあここで円の周や面積とは何だったのかなという問題が出てくるのですが、それについてはむつかしいことを考えるのはやめにして、ここでは問題を解いてみましょう。

π が3.05よりも大きいことを言いたいのですから、π を下から近似してその近似値が、3.05よりも大きくすればよいですね。

円周率の計算|ルシディチュード-灯台教養学部

正六角形でこんな形になりますね。nを結構大きくしないと求める近似が得られません。

まず、S(n)を求めてみましょう。これは簡単ですね。

円周率の計算|ルシディチュード-灯台教養学部

この半分の三角形の面積が

1/2sinπ/2cosπ/2

それが二つあって大きな三角形ができていますから、その面積は

sinπ/2cosπ/2

従って、

S(n)=nsin(π/n)cos(π/n) = (n/2)sin(2π/n)

ギリシア時代のアルキメデスは、n=6,12,24とやって近似を求めています。

n=12とすると、

S(n)=(12/2)sin(2π12)= 6sin(π/6)=3

ですから、n=12では近似が十分ではありませんでしたね。

n=24ですと、

S(n)=(24/2)sin(2π/24)=12sin(π/12)

π/12=15° ですが sin(15°) が頭の中に入っている人は少ないでしょうね。

従ってひと工夫します。

15°=45°- 30°

ですから三角関数の加法公式を使えば出せますね。

sin(15°)=sin(45°- 30°)=sin(45°)cos(30°)-cos(45°)sin(30°)=(√2/2)(√3/2)-(√2/2)(1/2)

従って、

S(n)=12(√6-√2)/4=3(√6-√2)

√6や√6は知っているけども√6はどうも知らないと言う人はきっといますよね。

そんな時には、

√6=√2√3=1.4142×1.732=2.4493

今欲しいのは

S(n)≧K>3.05

となるようなKの値ですから、このルートの値の計算もS(n)よりも小さくなるように近似します。

すると、

S(n)=3(√6-√2)> 3(2.44 – 1.42)=3.06

これは、3.05 よりも大きいので証明になりましたね。

 

こういう問題はどこまでを既知とするかということがあいまいになりやすいので、出題者の頭の中でははっきりしているのでしょうが、あんまりすっきりはしませんね。

でもいろいろと自分でやってみるのはいいことですよ。

今回は面積で下から近似しましたが、正n角形の周と円周を近似してみるといいですよ。

皆さん、自分でやってみてください。



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