方程式と図形

レベル:大学入試

今日は複素平面上で1の冪根を考えてみましょう。

これが実に美しい理論が発展していますから、興味のある人は、少し古い本なのですが、ディリクレとデデキントがかいた整数論の本をぱらぱらとみてみるとよいと思います。

  ぎょろめおススメ本

ディリクレ デデキント 整数論講義 (現代数学の系譜 5)


関数も複素数の枠内で考えると実に美しい理論がたくさんありますよ。手軽に読める本を一冊挙げておきますね。

函数論 第2版【岩波全書】 (岩波オンデマンドブックス)


物思いにふける秋ということで、物思いにふけることのできる問題をやってみましょう。

 

早稲田大学入試問題
  問題

複素数 z を z=cos(2π/7)+i sin(2π/7) とおく。次の問いに答えよ。

(1)z + z2 +・・・・・+z6 を求めよ。

(2)複素平面に置いて、1, z, z2,・・・・・、z6 が表す点を、それぞれ、 P(0),P(1),・・・・・、P(6) と置く。三角形P(1),P(2),P(4) の重心をα、 三角形P(3),P(5),P(6) の重心をβと置く。複素数、αとβを求めよ。

(3)三角形P(0)αβ の面積を求めよ。


 

【解説】

どうですか、皆さん。ピンときましたか?zは1の7乗根ですね。したがってそれ他の根が決める点は、1を起点にして正七角形になりますね。 次のような図形になります。

さて、(1)から順にやってみましょう。

z+ z2+・・・・・+z6は普通の等比数列ですから簡単に答えが出せますね。

ここでは、z≠1、ですから、

z+ z2+・・・・・+z6=z{(1-z6 )/(1 – z)}=(z – z7)/(1 – z)

z は1の7乗根でしたから、

z+ z2+・・・・・+z6= -1

 

次に(2)をやって見ましょう。

記述を簡単にするために、

u=P(1) + P(2) + P(4)

v=P(3) + P(5) + P(6)

と置きます。すると上の(1)より、

u + v = -1

uv = (P(1)+P(2)+P(4)) (P(3)+P(5)+P(6))

z が1の7乗根であることを使えば、簡単な計算で、

uv = 2

が出てきます。

つまり、u,v は次の二次方程式の根になります。(根と係数の関係を使います。)

T2 + T + 2 =0

T=(-1 ± i√7)/2

さて、αとβは3点の重心ですから、

α=(P(1) + P(2) + P(4))/3

β=(P(3) + P(5) + P(6))/3 点αは、上の半平面、 βは下の半平面にあるのは、図からまあ明らかですから、

α=(-1 + i√7)/2

β=(-1 - i√7)/2

となることがわかります。

 

さて最後に(3)の三角形αβ1 の面積を求めてみましょう。

αβを底辺と考えるとその長さが|α-β|、そしてこのαβはx軸と直行しているのもすぐにすぐにわかりますから、αβを底辺とした高さ (1+1/6) の三角形になりますから、その面積は

(½) |α-β|(1+1/6) = (7 √7)/36

 

どうですか、皆さん。複素数と1の冪根の面白さ、予感できましたか?



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