平面の分割

レベル:大学入試

皆さんこんにちは。ギョロメです。暑い日が続いていますね。夏休みもあと少しとなってきました。勉強は進んでいますか。

 今日は受験数学の枠を少しはみ出たところで皆さんに涼風を送ってみようと思います。閑話休題ですので、とにかくのびのび考えてみてください。今回は問題を掲載し、次回に解答・解説をのせます。

 まずこんな問題を考えてみてください。

 

平面の分割
  問題

円に弦をn本ひいて分割する時、最も領域の数が多くなる場合の領域の数S(n)を求めなさい。



解決への道筋

1.最大の領域の数ができる条件とはどういった状態かを考えよう。

2.数学的帰納法を用いて、n→n+1への歩みを理解しよう。

 

【解説】

まずは、具体的に円と弦を使って領域がどのようにできるかとらえてみましょう。

円の中に直線を引いて分割します。

1本の線でしたら、領域の数は2つになります。これはもうほとんど明らかです。では、2本、3本、4本と弦の数を増やしていくとどうなるでしょうか?

ここで注意したいのは、問題では最大の領域の数を求めるということ。領域が最大の数になるのはどんな場合でしょうか?

次の図を見てください。 

図形の分割|数学|ルシディチュード-灯台教養学部

A, Bそれぞれの円にひかれている弦はn=4で同じですが、領域の数はAが9つ、Bが8つとなっています。

つまり、最も領域の数が多くなる条件を考えた場合、同じ1点を通る弦nの数は2本以下である必要があります。 また平行な弦は存在しないものとします。

 

この辺まではリーゾナブルに思えますが、どうでしょうか?

ここでは、自由にいろいろと考えてみましょう。

まず、

 (1)弦の数が増えてきたときに、必ず同じ点を通る弦数が3本以上になるということはないのでしょうか?

(2)弦の数が増えてきた時に、ある一定の数以上になると、必ず平行な弦ができるということはないのでしょうか?

 

まずこの二つを皆さんに考えてもらいたいのです。厳密に解答を得るためにこの2点をしっかりと考えることが重要です。

まず (1)ですが、3本とか4本の線を引いている限り当たり前のように思えますが、この直線の数が1万本とかになってきた時に(10000+1)番目の直線を描こうとすると、この直線は必ず今までの10000本の直線の交点にぶつかってしまうのではないかということです。

(2)についても同じように3本や4本なら、それまでの直線のどれとも並行ではない直線を引くことは明らかなように見えますね。しかし、10000本くらいになってきますと、10001本目の直線はそれまでのどれかと平行になってしまうのではないか?という心配ですね。

これはそうそう明らかとせずに、自分で証明してみる必要がありそうですね。

 

同じような問題で、ビリヤードの球の軌跡を考えてみます。

 

たまに回転を与えたりいろいろとテクニックがありますが、ここではそういうテクニックは抜きにしてごく単純にまっすぐに突かれた球の軌跡を考えます。

この図のように有限回で同じ所へ戻る場合は見ればすぐにわかりますが、この球が延々と無限に反動してゆく場合を考えるのです。 その場合には球は、ビリヤード場のすべての点を通るのか? という問題です。

今日は解答は出しませんから、酷暑を吹き飛ばすつもりで、次回までに皆さん自分で考えてみてください。

 

最後にもう一つ数学的帰納法の問題です。

数学的帰納法とは、ある命題P(n)がある時に、まずP(1)が正しいことを証明し次にP(n)が正しいと仮定するとP(n+1)が正しいということが言えれば、全てのnについて命題P(n)が正しいというものですね。

なるほどまず n=1 の場合が正しいことは示したと、それなら n=2 の場合は n の場合が正しければ n+1 の場合も正しいといことがすでに証明してありますから、これを n=1 の場合に当てはめれば n=2 の場合が証明できますね。

したがってこれを順次繰り返して n=1, n=2,・・・・・・とやってゆけばついには目的のところまで達するというのですね。

この・・・・・・・が曲者なんですね。この・・・・・・を繰り返すうちに変な方向へ行ってしまうことはないのでしようか?

無限になるとおかしなことがいっぱい起こります。・・・・・・・で済ませているとある日とんでもないことが起こるのではないか?

例えば、自然数の列がある時は前から順にたどってゆけば必ず有限回ですべての数にたどり着けるわけです。

ところがこの自然数が、まず奇数だけ、それから偶数が並ぶというように並べ方を変えたらどうでしょうか?

1,3,5,7、・・・・・・・・・・・・・・・・、2,4,6,8、・・・・・・・・

こういう並べ方になっていると、奇数を順に追って行っても、有限回では偶数にはたどり着けませんね。

つまりこういう並び方だと、数学的帰納法が成り立たないということですね。なぜでしょうか?

 

そろそろ夏休みも終わりに近づいてきましたので、ゆく夏を惜しみつつ皆さんも自分でのんびりと考えてみてください。次回に今日の問題提起の解説をいたします。



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