関数とグラフ

レベル:大学入試

皆さんお元気ですか?だいぶ秋らしくなってきましたね。

今日は久しぶりに関数とそのグラフの問題を扱ってみましょう。1997年度の早稲田大学の問題です。

 

早稲田大学入試問題
  問題

3次方程式 x3 – 3x +1 = 0 ・・・・・(*)について以下の問いに答えよ。

① (*)の解で 1 よりも大きな解は、ただ一つであることを示せ。

②(*)の解で 1 よりも大きな解を α とし、 β=α2– 2, γ=β2– 2 とする。この時に、      

γ < β < α 

であることを示せ。

③β、γ は(*)の解であることを示せ。


 

【解説】

実際に具体的な数字になって出てこないと、どうも扱うのが苦手だと言う人もいますが、あれは単に頭の中にある自分の環世界がそこまで広がっていないというだけで、才能の問題ではないんですよね。

環世界というか私たちが認識している(と信じている!)世界について興味を持った人は、認知科学の本を読んでみると面白いですよ。一つ挙げておきますね。

  ぎょろめおススメ本

教養としての認知科学


 

さて問題に戻りましょう。

y = x3 – 3x +1 のグラフをかいてみましょう。

dx/dy =3 (x – 1 ) (x + 1 ) となりますから、

    -1   1  
dy/dx + 0 - 0 +
y 3 -1

従ってグラフは次のようになります。

関数とグラフ|ルシディチュード-灯台教養学部

 

このグラフとx軸との交点が(*)の解となるわけですが、具体的な数値は決められません。

でもいくらでも近い数値はもう皆さんの知識の枠内でも求められるのですよ。一番原始的な(したがって時間と労力のかかる方法です。)は、例えば 1 と 2 の間にある根を近似しようと思ったら、1から初めて、y(1.1)を計算してこれが負なら一番右の根はもっと右にありますから、次はy(1.2)を計算して、やはり負であれば根はもっと右・・・・ということをやって行けば 2 に到達する前に必ずこの値は正になりますね。

このやり方でも誤差 0.1 の大きさで根が近似できます。同じようにすれば次は 誤差 0.01 の範囲で根が近似できます。

もっと能率的な方法がいくらもありますが、原始的な方法も自分でやってみると、頭の環世界が広がりますよ。

 

さて問題に戻りましょう。グラフを見ると一目瞭然、1 と 2 の間にあるのが一番大きな根ですね。

問題にしたがってそれを α とおきましょう。

β = α2 – 2

と置いた時に、βはαよりも小さいことを示せというわけです。

こういう時には具体的な大きさがわかりませんから、とにかく引いてみましょう。

α - β =α - ( α2 – 2 ) =- ( α + 1 ) ( α – 2)

αは 1 と 2 の間にあることがわかっていますから右辺は正です。

従って β < α がわかりました。

同じように、 β - γ

を計算すると、正になることが簡単な計算で分かります。自分でやってみてください。

これで、

γ < β < α

が示せました。

最後に、βとγが(*)の根であることを示しましょう。

これはごく単純に、 β = α2 – 2 を方程式の中に代入してみます。

αの6次式が出てきますが αは(*)の根であることを使って

α3 = 3α – 1

で置き換えると簡単に0になることが示せます。

 

α、β、γ 何となくサイクリックでまだほかにもいろいろと面白い関係がありそうですね。

初等整数論の本を読むとこんな話がたくさん出てきますよ。興味のある人のために一つ挙げておきましょうか。

  ぎょろめおススメ本

復刊 整数論入門

これも古い本でアマゾンで出ていますがずいぶんな値段がついていますから Dover で出ている英文を読んだほうが良いと思います。

Elements of Number Theory (Dover Books on Mathematics)


 

それでは皆さん、天高く馬肥ゆる秋、食べすぎないように元気に頑張ってください。



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