方程式とグラフ

レベル:大学入試

皆さんお元気ですか? 青空に浮かぶ雲が素晴らしく美しい季節になりましたね。

今日は、グラフと方程式のスタンダードな問題をやってみましょう。

ハーバード大学で数学の先生をしていた広中平祐が日本へ来て日本の数学者を前に講演をしました。当時彼がやっていた特異点の解消の問題を話していたときに、一般次元の問題はとても難しくて手がつかないから、低次元の問題から考えているというような話をしたのです。その時に、講演を聞きに来ていた同じく数学者の岡潔が「あなたは間違っている。問題が解けない時には、問題をもっと難しくしてアタックするべきだ!」と発言したので、その時は腹が立ったけど相手は偉い先生だから、「ありがとうございます」といって黙っていたそうです。しかし後から言われた通り実際にやってみたら、彼のいう通り、一般化してみたらうまく解決できた、というようなことを、何かの随筆に書いていましたね。

数学に限らず、困難に出会ったら、問題を分割したりして小さくして解決しようとするのではなくて、思いっきり大きな大問題までにして対決してみるというのも意外と解決の近道のことがありますよ。

これは普遍的なことなのでしょうね。 フランス人などは、常に一般化、普遍化ということを頭の片隅に置いて生きている人種なのでしょうね。彼らは、問題に突き当たると、こういいます。 Il faut le magnifier. (問題をより大きく立派にしなくてはいけない。)

どうです。フランス人たちもなかなかガッツがあるでしょう。

日本人では昔いましたねえ。武士道の話にこんなことをうたった人がいましたね。

うきことのなおこのうえにつもれかし、かぎりあるみのちからためさん。

どうも日本のカルチュアーに入ると、道徳臭がし始めるのでぎよろめ先生は苦手ではありますが・・・

だいぶ話が脱線しました。問題に戻りましょう。

 

東京女子大学入試問題
  問題

係数が実数の3次関数 f(x)=x3 + ax2 + bx + c において |a|、|b|、|c|のうちで最大のものをmとする。

(1)関数y=f(x)は、|x|≧ 1 + m2 で単調増加であることをしめせ。

(2)方程式 f(x)=0 の任意の実数解 α は |α|< 1 + m を満たすことを示せ。


 

【解説】

f(x)を微分すると、

f’(x)=3x2 +2ax +b

|x|≧ 1 + m

で、f’(x) ≧ 0 を示せばよい。

3x2 +2ax +b≧ +2ax +b≧ 0

を示しますから、

今わかっているのは、出てくる数値の絶対値が多いので、

2ax +b≧ -3x2

 として考えてみましょう。2ax +b の大きさの評価をしてみます。

|2ax +b|≦ 2|2a|・|x|+|b| ≦ 2m |x| + m ≦ 2(|x| - 1) |x| + |x| - 1=2|x|2 - |x| - 1 < 2|x|2 ≦ 3|x|2

|2ax +b|< 3|x|2 となりますから、   

-3x2<2ax +b<3x2

 従って、

3x2+2ax +b≧ 0

これでf(x)が 1+m で単調増加が言えましたね。

3次式のグラフは一般に次のようになりますから、

方程式とグラフ|数学|ルシディチュード―灯台教養学部

f(1+m)> 0 あるいは、 f(-(1+m)) < 0 が言えれば、区間[-(1+m)、1+m]の外ではf(x)は単調増加ですから、区間の外では、X軸と交わることはありませんから、 f(x)=0 の任意の解は、区間(-(1+m)、1+m)の中にあることがわかります。

これで証明が終わりますね。   

x3 + ax2 + bx + c =0

を使って、   

x3  = -( ax2 + bx + c )

を基にして、左右の値の絶対値を評価して、|x|≧ 1+m だとすると、矛盾が出てくるとして、

|x| < 1+m

を示すこともできます。

この方法ですと、x が複素根の場合にも成り立ちますね。

 

いろんな方法があり皆一長一短ですから、皆さんもいろいろと試して、数学の面白さを味わってください。



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