整数と論理

レベル:大学入試

皆さんこんにちは。栗が出始めましたね。フランスのパリでもこの季節になると、「マロンショー、マロンショー」といって手押し車の窯の中で焼いた栗を売り始めますね。私は子供のころから甘いものが好きでしたから、お正月のおせち料理の栗きんとんは楽しみにしていましたね。

今日の問題をやってみましょう。

 

弘前大学入試問題
  問題

nを2以上の整数とするとき、次の問いに答えよ。

(1)n3 - n が6で割り切れることを証明せよ。

(2)n5 - n が30で割り切れることを証明せよ。


 

【解説】

先日神戸大学の問題を解いたときに、ここで言っていることはほとんど使ってしまいましたね。覚えていますか?

n3 - n =(n – 1)n(n + 1)

ですから3つの連続する整数の積が6で割り切れるということですね。整数は奇数か偶数ですから3つの数が連続して並んでいれば必ず偶数、すなわち2で割り切れる整数が含まれていますね。

次に任意の3つの連続する整数は必ず3の倍数を含むということですね。

証明せずに明らかと書くと、採点の時に減点されると困りますから、きちんとやってみましょう。まず、nが3tの形ならこれは3で割り切れます。3t+1の形ならば、n-1=3tとなりますから、これが3で割り切れます。nが3t+2の形の時には、n+1が(3t+3)となりますから、3で割り切れます。

 

さて、今度は(2)をやってみましょう。

n5 - n=n(n4 -1) =(n-1)n(n+1)(n2 +1)

と因数分解できますから、 (n-1)n(n+1) の部分から、まず6で割り切れるのがわかりますから後は5でも割り切れるのを示せばよいですね。  

(n-1)n(n+1) の部分が(n-2)(n-1)n(n+1)(n+2) を含むような形にすればこれは5個の連続した整数の積ですから、5で割り切れますね。

そう思えば、(n2 +1) が変形できることがわかってきますね。

(n2 +1) = n2 -4 +5 =(n-2)(n+2) +5

ですから、5が因数に出てきて、役に立ちそうですね。

n5 - n=(n-1)n(n+1)(n2 +1)=(n-1)n(n+1){(n-2)(n+2) +5}=(n-2)(n-1)n(n+1)(n+2) +5(n-1)n(n+1)

第一項は5個の連続した整数の積ですから5の倍数です。第二項は5を因数に含みますからもちろん5で割り切れます。

これで証明が終わります。

 

この最後の部分はもう少し泥臭くやろうと思えば、ごく単純に計算しても良いのです。

n5 - n=n(n4 -1) =(n-1)n(n+1)(n2 +1)

ですから、n が 5t、5t+1、5t+2、5t+3、5t+4 のそれぞれの場合に計算すれば、5の倍数になることがすぐにわかります。計算するときに、(5t+s)の冪は最後のsの冪以外はすべて5tの冪を含むことに注意するのです。そうすれば、n5 - n の中に、0,1,2,3,4 をそれぞれ代入して5で割り切れるかどうか確かめれば済むことに気がつきますね。

これはもう少し数論をやると、5を法とした合同式というやり方だということが出てきます。

これも高木貞治の『初等整数論講義』に説明してあります。

  ぎょろめおススメ本

初等整数論講義 第2版




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