数の性質

レベル:中学入試

こんにちは、みなさん。数学担当のぎょろめです。お元気ですか?今日はテーマの前に、こんなことを少し考えてみましょう。

 

実社会に役立つ数学

皆さんは小学校から算数や数学を勉強してきましたね。 何のためでしょうか。 もちろん試験に合格して上の学校へ行くためですね。 でもそれだけでしょうか? 数学は数や図形を扱って、実社会には役に立たないと思っていませんか?

 

たとえばこんなことを考えてみましょう。

 

あなたのクラスで数学の試験の平均が83点だとします。そしてあなたは85点を取りました。あなたはきっと、クラスの半ばよりも上位にいると思うのではありませんか?

ところが場合によっては、あなたは下位にいるということが起こりうるのです。それを理解するにはこんな例を考えればよいですね。

クラスの級友の数を20人としましょう。100点満点で、3人が0点とします。そして残りが全員98点を取ったとすると、クラスの平均は、

 平均=(98×17)÷20=83

つまり83点がクラスの平均点です。

この状況ではあなたが85点をとっても、17人の級友は98点であなたよりもはるかに良い成績です。

つまりあなたは、ビリから4番目ということになりますね。

ですから、こんな状況の時には、あなたのお母さんに報告するときには、「今度のテストはビリから4番目だったよ」とは言わずに、「今度のテスト、クラスの平均が83点で、僕は85点だったよ」といっておけば、お小遣い位もらえるのかもしれませんね。

 

これなどはまだテストに関係したことですが、次はこんな問題を考えてみましょう。

 

新聞を見ると景気回復が盛んに叫ばれていますね。皆さんも卒業すれば多くの人が会社で働くことになります。 たとえば、去年はまだまだ景気が悪くなかったが、今年はすっかり景気が悪くなりサラリーマンの給与が20%カットされました。それにもかかわらず日本の所得の平均が上昇するということがあり得るでしょうか?

 

こういうことを自分でしっかりと判断できるようにならないと、政治家や一部の実業家たちにいいように言いくるめられてしまいますね。 こんな例を考えてみるとよいと思います。

 

日本の全部のサラリーマンを例にとると計算が大変ですから、4人だけで考えてみましょう。

Aさん:5000万円

Bさん:1200万円

Cさん:500万円

Dさん:300万円

の年収とします。そして年収1000万円以上を高額所得者ということにします。 それでは、高額所得者たちの年収の平均を求めてみましょう。

高額所得者たちの平均年収=(5000+1200)÷2=3100万円

その他の所得者の平均年収=(500+300)÷2=400万円

 

さて、不景気になりみんなの年収が20%減りました。したがって、それぞれの年収は次のようになります。

Aさん:4000万円

Bさん:960万円

Cさん:400万円

Dさん240万円

皆確実に年収が減っています。

ところがです、各階層の平均年収を計算するとおかしなことが起こります。

まずBさんが年収1200万円から960万円に落ちましたから、高額所得のグループから落ちてそのほかの所得者のグループに入ったことに注意しましょう。 したがって高額所得者はAさんのみです。

高額所得者たちの所得の平均は、

高額所得者たちの所得の平均=4000÷1=4000万円

高額所得者たちの所得の平均が、去年の3100万円から4000万円に上がりました。 そればかりではありません。

その他の所得者の平均年収も計算してみましょう。

その他の所得者の平均年収=(960+400+240)÷3=533.33

平均が533万円になることがわかります。

去年は、このそのほかの所得者の平均が400万円でしたから、この階層の平均所得も増えています。 でも全員所得は減っているのです。

 

誰もごまかしてはいないのですが、統計数字だけを見ると、こういうことは起こりうるのです。政府や役所は自分に都合の良いように統計数値を利用することでしょうから、私たちが自分で判断するより仕方ありません。そうしないと、平均給与が上がったのだからということで各人の給与が減っても、みんなの生活はよくなっているという幻想を押し付けられてしまうのかもしれません。 どうですかみなさん。数学がこれから生きてゆくうえで本当に大切なものだということが実感していただけましたか?

それでは今日は、「数、組み合わせ、確率」の問題をいくつかやってみましょう。

 

青雲中学入試問題
  問題

276,456,576の3つの整数を、ある整数で割ったところ、余りがすべて同じになりました。余りは0ではないとすると、どんな整数で割りましたか。そのすべてを求めなさい。



解決への道筋

こういう時には何か手掛かりを見つけて、探している整数の範囲を限定できるかどうか考えます。

 

【解説】

ある数をmとしてみましょう。

mで276,456,576を割ると同じ余りになるということですからそれをrとすれば次のようになります。それぞれを割った時の商を、a、b、cとすれば、

276=m×a+r

456=m×b+r

576=m×c+r

したがって、

456-276=mb-ma=m(b-a)=180

576-456=mc-mb=m(c-b)=120

576-276=mc-ma=m(c-a)=300

したがって、mは180,120,300の共通の約数ということがわかります。

これらの数の最大公約数は、計算してみると、60であることがわかりますから、60の役数が、次の12個ですから、

1,2,3,4,5,6,10,12,15,20,30,60

このうち上記の三つの数を割り切ってしまうもの(つまり余りが0となるもの)を除くと、

5,10,15,20,30,60

が残ります。これらが求める整数ですね。

さてもう一つ問題をやってみましょう。

 

東洋英和女学院中学入試問題
  問題

お父さんは1分間に3枚の皿を洗い、太郎君は1分間に2枚の皿を洗うことができます。また、皿の代わりにコップにすると、お父さんは、1分間に9個のコップを洗い、太郎君は1分間に7個のコップを洗うことができます。 ここに汚れた皿とコップが、合わせて134個あります。2人が協力して、20分間でちょうど全部を洗い終えました。皿は何枚、コップは何個あったのでしょうか?



解決への道筋

鶴亀算を思い出そう。しかし、鶴亀式にだけ考えていると混乱しますから、方程式を作って考えます。

 

【解説】

お父さんと太郎君の二人ともお皿ばかり洗っていたとすると20分間で、お父さんが60枚、太郎君が40枚ですから合計100枚です。問題の134個に到達しませんね。

 

お父さんが、x分だけコップを洗えば、洗った皿あるいはコップの個数は、(9-3)xだけ増えます。

同様に太郎君がy分だけコップを洗えば、(7-2)yだけ洗ったお皿あるいはコップの数は増えます。

 したがってお皿ばかり洗ったと仮定すると

134-100=34で34個だけ不足していました。

その不足分を、6x+5yで補えばよいことになります。

6x+5y=34 なる方程式を解けばよいことがわかります。

0以上の整数解を求めればよいので、 5y=34-6x としてxに1から5まで数字を入れて検討してみればよいでしょう。

すると整数解は、 x=4、y=2 であることがわかります。

 

したがって、お父さんは、16分お皿を洗い、4分コップを洗ったことになりますから、洗ったのは、お皿が3×16=48、 コップが、9×4=36個となります。

 

太郎君は、洗ったお皿が、2×18=36、 コップが、7×2=14個となります。 したがってお皿の数は、84枚、コップが、50個となります。 合計すると134個です。

 

時間と頭に余裕のある人は、 ax+by=c a,b,c は整数とします。このxとyに関する方程式が整数解を持つためには、a,b,c の間にどんな関係が成り立たねばならないか、研究してみるとよいでしょう。



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