数と式

レベル:大学入試

今日は、「数と式」の大学入試レベルの問題をやってみましょう。

 

同志社大学入試問題
  問題

1から12までの整数を6個ずつA組、B組の2組に分け、A組に属する整数を a(1),a(2),a(3),a(4),a(5),a(6)と名付けます。同様にB組に属する整数をb(1),b(2),b(3),b(4),b(5),b(6)と名付けます。いまa(1)よりも小さいB組に属する整数の個数をm(1)とします。同様にして、a(2),a(3),a(4),a(5),a(6)のそれぞれよりも小さいB組の整数を、それぞれm(2),m(3),m(4),m(5),m(6) とします。この時に、 (a(1)+a(2)+a(3)+a(4)+a(5)+a(6))-(m(1)+m(2)+m(3)+m(4)+m(5)+m(6))は最初に12個の整数をA組とB組に分けるわけかたに依存せずに常に一定の値であることを証明せよ。


※同志社大学で実際に出題された問題から表現等を少しぎょろめが変えていますが本質的には同じものです。


解決への道筋

多くの受験生がお手上げだったということです。皆さんもまず自分で考えてみてください。 微分や線形代数といった予備知識は何もいらない問題ですが、考えにくいものといえますね。 手が付けられないときはたとえ皆さんがテストの会場にいたとしても焦らないことですね。焦っても物事は解決もしなければ進むわけではありませんから。 そんなときは漠然と抽象的に取り組んでみようとせずに、具体的にやってみることです。自分にとって考えやすいように問題を変形してみることを考えましょう。

 

【解説】

まず、具体的に12個の整数をA組とB組の分けてみましょう。

一番わかりやすい分け方は、   

a(1)=1,a(2)=2,a(3)=3,a(4)=4,a(5)=5,a(6)=6   

b(1)=7,b(2)=8,b(3)=9,b(4)=10,b(5)=11,b(6)=12

ですね。

さっと見てわかるように、a(1),・・・・、a(6)よりも小さいB組の整数はありませんから、   

m(1)=0,・・・・・・、m(6)=0

ですから   

(a(1)+・・・・・+a(6))-(m(1)+・・・・・+m(6))=1+2+3+4+5+6=21

 となることがわかりますね。

この例では状況が簡単すぎてあまり問題の本質を理解するのに役に立ちませんでしたね。

次は逆に、   

b(1)=1,b(2)=2,b(3)=3,b(4)=4,b(5)=5,b(6)=6   

a(1)=7,a(2)=8,a(3)=9,a(4)=10,a(5)=11,a(6)=12

として考えてみましょう。

BB組に属する整数がどれもA組に属する整数より小さいことは明らかですから、a(1),・・・・・a(6) のそれぞれよりも小さいB組の整数は実はB組に属する整数全部です。

よって、m(1),・・・・・m(6) はどれも6となることがわかりますね。

したがって、

 (a(1)+・・・・・+a(6))-(m(1)+・・・・m(6))=(7+8+9+10+11+12)-(6+6+6+6+6+6)

これでもまだ問題の様子はつかみにくいですね。

 

では今度は与えられた整数を一列に並べてみましょう。

1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12

a(1),・・・・・・・a(6),b(1),・・・・・・・・b(6) も大きさの順に並べてみましょう。

並べるといっても具体的な数字ではありませんから困りますが、その辺は数字がわかっているような気になって、適当に並べてみます。たとえばこんな具合にです。   

b(1),a(5),a(1),b(3),b(5),a(6),b(6),b(2),b(4),a(3),a(4),a(2),a(3)

これでも何のことだかよくわかりませんね。

 

a(1)よりも小さいB組の整数は、b(1) だけですから、 m(1)=1 となることはわかります。

 

12個の整数の列と比べてみると、少しわかってきますが、この場合 a(1) は三番目ですから実は a(1)=3 であることがわかりますね。

同様に a(i) は12個の整数の列の中では a(i)番目にあることがわかります。

つまり a(i) よりも小さな 12個の整数は、(a(i)-1) 個あることがわかります。

 

この中からB組に属する整数の数を求めれば問題は解けますね。

それにはどうするか?

問題となっているすべての整数はA組とB組に分類されているのですから、a(i) よりも小さいA組の整数の数が求められれば、問題は解決します。

これも簡単には求められそうもありませんね。ではどうするか?

 

少し腕力を使ってやることもできますが、それは後で説明するとして、いろんな問題に応用できる考え方をまず説明します。 まず状況をもう少しわかりやすいものにしてしまいましょう。

 

a(1)<a(2)<・・・・・・・<a(6) と勝手に仮定してしまいます。

果たしてそうしてよいものかは、あとで検討することにします。 さてこの条件のもとでしたら事態は簡単です。

a(1) より小さいA組の整数は一つもありません。

a(2) よりも小さいA組の整数は一つです。

同様に考えれば、a(i) はA組の中で i 番目ですから、当然それより小さい、すなわちそれ以前に並んでいる、A組の整数は (i-1) 個あることがわかります。

したがってそれよりも小さい、すなわちそれよりも前に並んでいるB組の整数の数は、   

(a(i) よりも小さい整数全体の数)-(a(i) よりも小さくてA組に属する整数の数)

となりますから、   

(a(i)-1)-(i-1)=a(i)-i

となることがわかりました。

 

すなわち、

m(i)=a(i)-i

 ここまで来れば問題にある (a(1)+・・・・+a(6))-(m(1)+・・・・+m(6)) を求めることは簡単ですね。

上の式を変形して、

 (a(1)+・・・・+a(6))-((m(1)+・・・+m(6))=(a(1)-m(1))+(a(2)-m(2))+・・・・(a(6)-m(6)) =1+2+3+4+5+6=21

最後のところは、少し上で考察した、

 m(i)=a(i)-i を変形して、 a(i)-m(i)=i

として使ったものです。

 

さて最後に途中で勝手に、

a(1)<a(2)<・・・・・・・<a(6)

と仮定してしまいましたがこれでよかったのか検討します。

 

A組の数が今度は大きさの順に並んでいない場合は、それを大きさの順に並べて番号を振りなおしたものを c(1),c(2),・・・・・c(6) とします。

そしてこれらに対応して、c(1),c(2),・・・・・,c(6)よりも小さなB組の整数の数を n(1),n(2),・・・・・n(6) とします。

するとこの新しい、c(1),c(2),・・・・c(6) と n(1),n(2),・・・・n(6) については今までの推論が成り立ちますから、   

(c(1)+c(2)+・・・+c(6))-(n(1)+n(2)+・・・+n(6))=21

です。

ここで次のことに注意します。

c(1),・・・c(6)は全体としてa(1),・・・a(6) と一致しますから、当然

c(1)+c(2)+・・・+c(6)=a(1)+a(2)+・・・+a(6)

同様に m(1)+m(2)+・・・+m(6)=n(1)+n(2)+・・・+n(6) となることがわかりますね。

 

これですべての問題は解決しました。

 



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