数と式

レベル:大学

今日はフェルマの大定理だというものをやってみましょう。

300年以上手がつかなかった問題ですから、相当準備しないと理解できませんけど、信州大の先生が皆さんにフェルマの夢を見せてくれるということですよ。

 

信州大学問題
  問題

「n を2より大きい自然数とするとき xn + yn = zn を満たす整数解 x、y、z (xyz≠ 0) は存在しない。」というのはフェルマーの最終定理として有名である。しかし、多くの数学者の努力にもかかわらず一般に証明されていなかった。ところが1995年この定理の証明がワイルスの100ページを超える大論文とテイラーとの共著により与えられた。当然、x3 + y3 =z3 を満たす 整数解 x、y、z (xyz ≠ 0 ) は存在しない。さてここでフェルマーの定理を知らないものとして次を証明せよ。x、y、z を0 でない整数として、もしも x3 + y3 =z3 が成立しているならば、x、y、z のうち少なくとも一つは3の倍数である。


 

【解説】

なんだかずいぶん前置きの長い問題ですが、皆さん問題の言いたいことはわかりましたか?

もしも xn + yn =zn が成立しているならば、x、y、z のうち少なくとも一つは3の倍数である。

ここが言いたいことなんですけどね。

どうせフェルマーの大定理でそんなx、y、zは存在しないんだから考えるのは時間の無駄と言う人もいるかもしれませんね。

 

無駄だと思えることもいろいろと自分でやってみると初めて身につくことがたくさんありますから、何でも楽しみながらやってみるといいですよ。

それにリンカーンでしたか?部下に靴を磨いておくように言ったら、その部下が磨いてもどうせ汚れますから・・・というようなことを答えたので、リンカーンがこういったらしいですねえ。

「君、飯を食ってもどうせ腹が減るんだから、君は今日から飯を食うな」

 

さて問題に戻りましょう。

こういう整数の問題は、たいてい何かの数で割れるかどうかで事情が分かってきます。今回は3の倍数で割れるかどうかが問題ですから、x。y、zを 3t + 1 のような形に書いて考えてみることにします。

いまどれも3では割り切れないとしてみます。ですから、x、y、zは 3t + 1, 3t + 2 のいずれかの形にかけます。

( 3t + 1 )3 = 27t3 + 27 t2 + 9t + 1

(3t + 2 )3 = 27 t3 + 54 t2 +36 t + 8

最後の項以外は全部9で割り切れていますから、9で割った時のあまりを考えてみましょう。

x、y が上のタイプの整数の時には、x3 + y3 を9で割った時のあまりの可能性は、0、2、7です。

ところが、z3 を9で割った時のあまりの可能性は上記より、1か8しかありません。

従って、x3 + y3 =z3 が成り立たないことがわかりますね。

 

どうですか、皆さん、無駄なことをやってみることの面白さ、わかりましたか?

何か読んでみようという気になった人には、次の本を今回はお勧めしておきます。

翻訳も出ていますが、だいぶ古い本で値段も高いので、Dover から出ている英語の本を読まれることをお勧めします。



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