数と式

レベル:大学入試

皆さんお元気ですか?いよいよ秋に入りましたね。秋は何となく寂しくて嫌いだと言う人もいますが、天高く馬肥ゆる秋、皆さんもおいしいものをたんと食べて頑張ってくださいね。

今日は整数の因数分解の問題を扱ってみましょう。

 

慶応義塾大学入試問題
  問題

整数を係数とする多項式 f(x) について、次のことを証明しなさい。

(1)任意の整数m、nに対して、 f(m+n) - f(n) はmの倍数であることを示せ。

(2)任意の整数 k、n に対して f(n+f(n)k) は f(n)の倍数であることを示せ。

(3)任意の整数nに対してf(n)が素数ならば、f(n)は定数であることを示せ。


 

【解説】

こういう問題は抽象的にf(x)を考えているとわかりにくいので、f(x)を具体的に書いてみましょう。

(1)f(x)=ar xr + ar-1 xr-1 +・・・・・+a0

とこう置いただけで見えてきましたね。

f(x) - f(y) = ar ( xr – yr ) +・・・・・+ a1 ( x – y ) =(x – y) M(x,y)

と書けることがわかりますから、これは x- y を因数にもちことがすぐにわかりますね。ここで、

x=m+n, y=n

と置けば、

f(n+m) – f(n) = mM(n+m,n)

従って、mで割り切れることがわかりますね。

 

(2)上記で、m=f(n)k と置くと、

f(n+f(n)k) - f(n)=f(n)kM(n+f(n)k、n)

と書けますから、

f(n+f(n)k)=f(n){1+kM(n+f(n)k、n)}

従って左辺は、f(n)で割り切れます。

 

(3)の証明ですが、いま任意のnについてf(n)が素数ですから、当然、

f(n+f(n)k)

も素数になるはずです。 すると(2)で証明したことより、

f(n+f(n)k)=f(n){1+kM(n+f(n)k、n)}

今任意のnについてf(n)は素数でしたから、f(n+f(n)k)もf(n)も素数です。それがお互いを割り切るのですから、

f(n+f(n)k)=±f(n)

となります。

今、上記の等号に従って

f(x)=±f(n)

右辺は定数と考えます。

するとこれは多項式の関数ですね。そして、n+f(n)kをkを変化させてみると、それら無限個の値がこの多項式の解となることがわかります。これは左辺が定数±f(n)に等しいことを示していますね。

つまり多項式f(x)は定数となります。

 

整数の中で占める素数の位置の不思議さ実感できましたか?

しばらく前にフェルマーの大定理が300年以上たって証明されたというので話題になりましたね。

素数に関しては、有名なリーマンのゼータ関数の零点に関する予想があります。これは類似の予想を有限体の上のカーブの場合に定式化してフランスの20世紀の大天才WEILが提出して、それをDELIGNEが解いています。

この辺にも実に美しい理論がありますね。 



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