数と論理

レベル:大学入試

今日は、1998年の大阪府立大学の入試問題です。

 

大阪府立大学入試問題
  問題

実数 x についての条件、

P: x² - 10x +25 – a² > 0     

Q: x² - 2(a + 2)x + 8a > 0

がある。a がどのような範囲内にある時、PがQの十分条件になるか。その範囲を求めよ。


 

【解説】

PがQの十分条件とはどういいう意味か、さっと分かりますか?  

要するにPならばQということですね。つまりPをみたす x は必ずQを満たすということです。

 

少し脱線してこんなことを考えてみてください。

*天才科学者には長男が多い。

*精神異常者には長男が多い。

*天才女流ピアニストには長女が多い。

*交通事故にあう女性には長女が多い。

 この命題を読んで皆さんどう思いますか?これは嘘ではないんですよ。統計的な事実です。

でもここから、だから長男や長女は頭が良いと結論するのはどうですかねえ? 皆さんはどう思いますか?

このことについての説明は次回にすることとして問題に戻りましょう。(次回までの考えるヒントは、長男や長女が生まれなければ、その後の次男や次女が生まれませんから、統計的に長男や長女のほうが数が多いですよね。・・・)

 

Pの条件を満たすxの集合をP(x)とし、Qの条件を満たすxの集合をQ(x)とすると、問題の言いたいことは、

P(x) ⊂ Q(x)

ですね。

まずP(x)を見てみましょう。

P(x): x² - 10x +25 – a² > 0

これは簡単に因数分解できて、

P(x)={x – (5 – a)}{x – (5 + a)}

となります。

したがって二次式のグラフは下記のようになります。

数と論理|ルシディチュード-灯台教養学部

5 + a と 5 – a の位置は a が正か負であるかによって逆になりますが、今は仮に a は正としておきましょう。すると正確に上の図のようになります。

集合Pはこの二点の外側ですね。

次にQ(x)を考えてみましょう。

同じようにQ(x)も簡単に因数分解できます。

Q(x)=(x – 4 ) ( x – 2a )

したがって、Q(x)は数直線上、4 と 2a の外側になりますね。この場合、a が2より大きいか小さいかで、4 と 2a の位置が逆になります。

A が正であるか負であるか、あるいは 2 より大きいか小さいかで、いくつか場合分けして、

P(x) ⊂ Q(x)

の条件を検討するとずいぶん面倒ですので、(こういうのをコツこととやってみるのも数学を理解するうえで大切ですよ。ですから皆さんは、自宅ではコツコツと書く場合分けをしてやってみてください。数学的感覚が養われます。)次のように考えることにします。

P(x) ⊂ Q(x)

は、

Q(x)P(x)

と同値であることを思い出します。

すると今度は、4 と 2a の間の区間が、 P(x)≦ 0 を満たすという条件に変わります。

図に書くと次のようになりますね。

数と論理|ルシディチュード-灯台教養学部

従って、2a と 4 がどちらが大きいかを気にすることもなく、

P(2a)≦ 0

P(4) ≦ 0

から条件を検討すればよくなります。

すると、

( a – 5) ( 3a – 5 ) ≦ 0

1 ≦ a²

が出てきます。

この二つの条件を満たす a は次のようになります。

5/3 ≦ a ≦ 5

 

図と論理をうまく使いこなすとで頭の中に整理されたアイデアが浮かんできましたか?

どんどんといろんな問題を図を描きながらやっていると頭の中にアイデアが浮かんでくるようになりますよ。直感もいろいろと遊んでいるうちに養われてくるのです。大いに遊びましょう。

解説の途中で描きましたが、力を節約することも大切ですが、こつこつ場合分けしてやってみることも数学を身につける上ではとても大切ですよ。



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