数と論理

青山学院中学入試問題

皆さんお元気ですか。すっかり冷えてきましたね。

先日は、ポントリャ-ギンを持ち出して、あんまり極限操作ということを厳密に考えずにまず慣れることから始めるのも悪くはありません、ということをお話ししました。

先日の問題をその辺から解いてみましょう。

問題は次のようなものでした。

  宿題

a nがαに収束するときに、 {a 11 +a 2 + ・・・+ a n } /n もαに収束することを示せ。


an=α+bn と置けば、これは  が0に収束することと同じことですね。

従って、 {a 11 +a 2 + ・・・+ a n } /n = a +{b1 +b 2 + ・・・+ b n } /n

と書けますから、

{b1 +b 2 + ・・・+ b n } /n

が0に収束することが言えれば十分ですね。

b1 +b 2 + ・・・+ b n

がどんどんと小さくなってゆきますから、ある番号から先はいくらでも小さくなってしまいます。

(少々あいまいな言い方ですが、ここはポントリャ-ギン先生の教えを聞いて面倒なことは言わないことにしておきましょう。)

何か小さな数εを取ると、ある番号から先は常に

|bn | < ε

となります。 この番号をここではkとしておきましょう。 今

max {b1 +b 2 + ・・・+ b n }=A

と置くと、

| {b1 +b 2 + ・・・+ b n }/n |  < Ak/n + ε

これでだいたい、nが無限大に行く時には、左辺が0に収束するのが何となくわかりますね。

厳密に極限のことを考えてみたい人は、次の本を読んでみるとよいと思います。

  ぎょろめおススメ本

解析概論 改訂第3版 軽装版


 

さて終りに今日は中学入試問題をやってみましょう。

 

青山学院中学入試問題
  問題

3,4,5、・・・、12 のように連続した整数が書いてあるカードが10枚あります。その中から3の倍数が書いてあるカードを取り出して、その数を加えると、99になります。また2の倍数を書いたカードだけをすべて加えると170になります。 全部のカードの中で、一番小さな数はいくつですか?


 

【解説】

どうですか皆さん?できそうですか。落ち着いてやらないと頭が混乱するのかもしれませんね。

3の倍数は、3,6,9 などのようにつねに3個おきに出てきますから、連続した10個の数の中には3の倍数は、3個か4個かどちらかになりますね。

最初が3の倍数で始まる時だけが4個の3の倍数がありますね。

そしてこの時には奇数、偶数、奇数、偶数となりますから、これらの4個を足すと総和は偶数になります。

99にはなりませんね。

したがって、問題の場合には、3個の3の倍数が出てくることがわかります。

それらは、

3a, 3a+3, 3a+6

のような形になりますから、総和を取ると、

9a+9

となりますから、3で割るとちょうど

3a+3

になります。

つまり、

99/3 =33 

が真ん中の数字になります。

したがってカードに出てくる3の倍数は、

30、 33、 36

となります。

スタート地点となる数は3では割り切れませんから、28か29です。

28から37、あるいは29から38までの偶数を足してみると、それぞれ、 160と170になります。

従って、カードの数字は、

29、30、・・・、38 

となります。

一番小さな数字は、29です。

 

次回はまた少し難しい問題を扱ってみましょう。



数学TOPへ


ABOUT US

ルシディチュード―灯台教養学部へようこそ。このサイトは、一般教養を学べる無料オンラインサイトです。Luciditude ルシディチュード= Lucid (明晰な、明快な)+ -(i)tude(状態、性質)。“すべての人の灯台としての教養を”をコンセプトに、大人も子どもも、ご家族みんなで、わかりやすく幅広く学べる一般教養をご紹介します。同時に、キャリア形成に役立つ能力開発についても発信します。雑談知識のインプット、生涯学習としてご活用ください。数学と英語は受験問題と解説を掲載しています。受験生はもちろん、受験生でない皆さんもぜひチャレンジしてみてください。

>>read more