数とは何かを理解する:順番としての序数、量としての基数

子どもの勉強教え方教室

2019年01月15日(火)数学 

数とは何かを理解する:順番としての序数、量としての基数

算数・数学の絶対欠かせない要素である数の性質について学びましょう。



数とは何か-「順序と量」

ここがポイント!重要ポイント

数には大きくわけて2つの性質があります。

  • 序数 Ordinal Number=順序や順番を表す性質。
  • 例)成績が1番、2番、3番・・・、行列の1番目、2番目、3番目・・・

  • 基数 Cardinal Number=量や大きさを表す性質。
  • 例)リンゴが1個、2個、3個・・・


1,2,3,4,5,・・・とあるのが数です。この「数とは何ぞや?」ということは実に難しい問題がありますが、今日は子どもたちに教える時に、教える側が理解しておくべき数の性質についてお話します。

数には、上の青枠に書いたように、大きくわけて2つの意味、2つの性質があります。

順番としての序数、そして量としての基数です。

同じ3が表すものが、「3番目」の序数の意味であったり、「3個」の基数の意味であったりするため、子どもたちの頭で混乱が生じることがあります。

子どもは常に存在するものと関連づけてしか理解できないため、お父さん・お母さんが教える時に、どちらの性質で数を使いたいのか意識して話しましょう。


FAQ:子どもからよく出る質問

数の性質から生じる疑問の中でも、特に子どもからよく出る質問を説明します。


FAQ①文章問題で3×5=15は正解、5×3=15は不正解はなぜ?

不正解ではないのだが、子どもの抽象能力の成長過程において便宜上そうなっている

次の問題を考えてみてください。

  問題

一皿に3個のケーキがあります。5皿で全部でケーキはいくつありますか?


この問題の答えは、3×5=15個が正解です。

3×5=15は正解で、5×3=15は不正解とする学校がかなりあるようですね。

答えは一緒なのに、どうして5×3=15ではだめなの?と子どもに聞かれたら、お父さん・お母さんはどう答えたらよいでしょうか?

この問いに対し、意見はいろいろあります。

例えば、「文章題を数式に直す時には、順序を守ることで意味が分かる」とか、「求められている単位(ここではケーキの個数)を先に書くことを子どもに守らせるのが重要」「そんなのはナンセンスだ」などなど。

数学の概念としての数の単位などありませんから、どちらを先に書いても、それには何の意味もありません。〇個や〇皿といった単位は、数学ではありません。(もちろん、数学の扱う数の中には、xy=yxが成り立たない数もあります。この場合順序は大切です。)

しかし、子どもに説明してあげるときに注意しなくてはならないのは、教育学者のピアジェが言っているように、子どもにとっては抽象的な概念は存在しない、常に目の前の自然がモデルになっているということです。そしてそうした子どもの頭の中には、量よりも順序の方が自然に受け入れられているのではないかということです。

そうすると、抽象的な数というものに少しずつ慣れていくためには、子どもの頭の中にある具体的な順序は、健全な抽象性が子どもの頭の中で育っていくためには必要なのかもしれません。つまり、上の文章問題に向き合う時、ケーキ3個×お皿5枚=ケーキ15個、の順序が自然だといえます。

こういったレベルをすでに卒業しているお子さんには、3×5を5×3と書いた場合に理由を聞いて、自然にわかっているようであれば、順序はどちらでもよいと教えてあげて良いでしょう。(ただし、学校のテストで×をもらわないための説明もしてあげるといいかもしれませんね。)それから、そうしたお子さんは少し抽象的な数に触れると良いでしょう。

反対にお子さんがとまどっているようであれば、子どもの頭の成長過程を大切にして、順序通りにやってみるということを説明してあげるとよいでしょう。

 

FAQ②1+1=1?エジソンの泥団子問題

やっぱり2だよ!

今では誰もが知るアメリカの発明王トーマス・エジソン。電気を発明した人として、みなさんご存知だと思います。

今ではエジソンは、天才や偉人として称されていますが、子ども時代は問題児扱いされていました。彼は自分の身の回りのwhy(なぜ?)を学校の先生に聞き続けます。とうとう「腐った脳みそ」といわれ、退学にされてしまいました。

エジソンに勉強を一生懸命教えたのは、お母さんだったそうですよ。

そんな問題児エジソン君が、学校の先生にした質問が次のものでした。

  問題

1足す1は2じゃないよ!一つの泥団子と一つの泥団子をくっつけたら、一つの大きな泥団子になるだけだよ!


エジソン君は、泥団子2つをそれぞれ1つずつ両手にもって、先生の目の前でぐしゃっと一つの大きな泥団子にしてみせたのでした。つまり、

1+1≠2

1+1=1

だ、と。

みなさんのお子さんが同じように聞いてきたら、どう説明しますか?

もちろん

1kgの泥団子 + 1kgの泥団子 = 2kgの泥団子

ですから、単位を持ち出せば説明はできますね。

しかし、目の前の一つにまるめられた大きな泥団子をみて

1+1=1

と子どもが考えたらどう説明するか、ですね。

大人向けの説明になりますが、エジソン君の間違いは、集合のエレメントをどれにするかを自分で勝手に変えてしまっていることにあります。

先生や常識の中にいる大人にとって同じ大きさの泥団子が1つのエレメントであり続けている一方、エジソン君は先生と同じ大きさの泥団子と、その倍の大きさの泥団子を同じエレメントにするルールに急に変えてしまっています。

エジソン君もそれは自覚しているため、1+1=1と主張しつつも、きちんと「ひとつの大きな泥団子」と表現しているわけです。大きさが変わった、これを理解しています。そこをとらえて、1+1=1ならば、大きさも変わらないだろうけど、1+1=2だからこそ、大きさが変わったことに目を向けさせましょう。

子どもに教えるには、秤をもってきて、1kg+1kg=2kgを示したり、ハンバーグを二つ作って、二つ合わせた大きなハンバーグは食べきれない、など、とにかく具体的なものを例にして説明すると良いでしょう。

 




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