整式と複素数

レベル:大学入試

こんにちはみなさん。お元気ですか。暑くなりましたね。数学担当のぎよろめです。 しばらく中学入試問題ばかりやってきましたから、退屈している人もいると思いますので、今日は大学入試問題をやってみましょう。どっちがむつかしいかということについてはいろいろと議論があると思いますが、それはまた何かの機会に議論しましょう。

 

慶応義塾大学理工学部入試問題
  問題

実数a,b,cに対して、 g(x)=ax²+bx+c を考え u(x)=g(x)g(1/x)で定義する。

(1)u(x) は y=x+(1/x)の整式 v(y) としてあらわされることを示しなさい。

(2)上で求めた v(y) は -2≦y且つ y≦2の範囲のすべての y に対して v(y)≧0 であることを示しなさい。



解決への道筋

力づくでやるのも大切ですが、スマートに工夫してやることも大切です。

 

【解説】

変数の変換の問題として考えると、x と y の関係がそれほど滑らかにわかりませんから、面倒なことは考えずに単純に計算してみるとよいと思います。

 

(1)の計算をやってみましょう。

u(x)=g(x)g(1/x)=(ax²+bx+c)(a/x²+b/x+c)=a²+b²+c²+ab(x+1/x)+bc(x+1/x)+ca(x²+1/x²)

 

ここで

x²+1/x²=(x+1/x)(x+1/x)-2 に注意すると、

v(y)=acy²+b(a+c)y+a²+b²+c²-2ac

 

さて、(2)をやってみましよう。

y=x+1/x

ですから、グラフを書いてみれば、x が実数の範囲を動く時は、y は絶対値が2以上になります。

ですから、 v(y) の動く値の範囲を考察するときに、 y から x への変数変換を行ってxの関数として考察すると正しい答えが得られませんね。

x がすべての実数の値を動いても、それに対する y の値は、+2 と -2 だけです。 したがって、|y|≦2の領域では、y=±2の値だけを考察したことになってしまいます。

ではどうするか?

 

絶対値が2以下のyの値が一つ与えられた時にそれに対応する実数 x は存在しませんが、与えられた y の値に対する x の値を求めるのは、x の二次方程式ですから簡単に解けますからやって見ましょう。

x²-yx+1=0

これを解くと、

x=(y±√y²-4)/2

yの絶対値は2以下ですから、これは重根か複素根ですね。

 

この二つの共役複素根(係数が実数ですから共役複素根になるということを学びましたね。)を見てすぐにわかることは、絶対値が一になることです。

 

つまり与えられたyの値に対応してxの値を決めることができます。

この場合には、

y=x+(1/x)   v(y)=g(x)g(1/x)

の関係が使えますから、

v(y)=g(x)g(1/x)=g(x)g(x)

=g(x)g(x)= |g(x)|²≧0

 

 どうでしたか、みなさん。

しばらくやってきた小学レベルの問題とどちらがむつかしかったですか?

必要な予備知識は増えますが、必ずしも大学入試のほうがむつかしいとは限りませんね。

 

皆さんが数学はもちろん考えることが面白くなるようにこれからもいろんな問題をやってみますから期待していてください。

何か質問や疑問あるいは要望があればどんどんメイルしてください。



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